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「しくみデザイン」のつくり方。そして学生に伝えたいこと。 / e-ZUKA Tech Night vol.30レポート


皆さんこんにちは!だいぶ暑くなってきましたね。ここ飯塚は30度を越える真夏並みの気温を記録しております。めっちゃ暑いです。

今回はしくみデザインの中村俊介さんにお越しいただきました!

しくみデザインさんは2013年に米Intel主催のコンテストで全世界16カ国・約2,800作品の中からグランプリに選ばれ、今や各方面から引っ張りだこなのです!

まずはこちらの動画を御覧ください!いまさら紹介するまでの有りませんが、中村さんたちが作成されコンテストのグランプリを勝ち取った「KAGURA」です。

御覧頂いたように、モーションを読み取って直感的に音楽を演奏できる画期的な新しい楽器です!いや、これめちゃくちゃ楽しそうじゃないですか?これを本格的につかったパフォーマンスとか見てみたい!技術的にも距離の表現をうまく使っていて面白いですね。手を水面に突っ込んで操作をする所あたりなんてこれまでにない操作方法です。

そんなしくみデザインの中村さんにお話頂いた内容を紹介させて頂きます!

「KAGURA」は賞を取るために作った。

実はこの「KAGURA」は賞を取るために狙って作り、そして本当に賞を取ってしまった作品なんだそうです。そのために審査員がどのような作品を好んでいるのか研究し、作戦をたてたそうです。その結果以下の点を意識して作成したとのこと。

  • 距離の表現をどう活用するか
  • すでにあるデバイスの機能を置き換えない
  • 上手く行かなくても気にしないようにする
  • 間違った「サイバージャパン」を表現する
  • なんだかわからないけど新しい!って思わせる

まず、距離の表現をどう活用するかですが、コンテストではReal Senceというカメラに写った映像の距離、奥行きを認識出来るIntelの新技術を使う必要があったらしいです。審査員にうけるためにはこの技術のポイントを最大限活用したものを作るんだ!ということで水面に手を突っ込んで操作をするという斬新な操作方法を発明されたんですね。

「すでにあるデバイスの機能を置き換えない」というのは、例えばアイコンを選択する時マウスポインタを操作してクリックするような事を目指さないという事です。そういう操作をやろうとしてしまうと、これならジェスチャーじゃなくてマウスでやったほうがいいじゃん!ってみんな思ってしまいますから。確かにそういう事させられるとナンセンスなUIだなーと思って使うのが嫌になってしまいますね。

上手く行かなくても気にしないようにする。これは細かい操作をミスっても気にならないように工夫すると言う事でした。KAGURAは左右に音階を奏でられるモジュールがありますが、ここに鍵盤を置いて好きなメロディーを演奏できるようにしてしまうと、もうだめになってしまうとのこと。なぜなら人は思ったように体を動かせないのでうまくピッタリのポイントをタッチして思ったように弾くのは至難の業だからです。またセンサーの精度も十分じゃない。そうなると思わない音がでてイライラしてしまう。それよりも上手く行かなくても気ならないようにすればいい!ということでした。さらに、曖昧な操作でも気持ちい音が鳴らせるように音楽的に調整をしているらしいです。

間違った「サイバージャパン」を表現する。これは審査員である外国人が日本に持っている未来的なわくわくするイメージを活用しようということですね。じつは「KAGURA」の画面はあるロボットアニメをイメージしてデザインされたそうです。言われてみれば確かにそれっぽい!

そして、これらを複合してなんだかわからないけど新しい!って思わせる物を作られたそうです。言うのは簡単ですが、やるのは簡単じゃないと思うんですが;でも確かにワクワクする新しいって思えるものが出来上がっていますよね。お話頂きながら即興でKAGURAを演奏して下さいました。会場は「おぉ!」や「ヒュー」など声が上がり大喜び。自然と拍手がわきました。

KAGURAの原型は学生の時の作品?

実はKAGURAは中村さんの学生の頃の作品が元になっているらしいんです。中村さんは学生の頃様々なコンテストを荒らし回り賞金を稼ぎながら生活されていたとか。なかなかの賞金を稼いだそうです。その頃に作った体の動きに合わせて音がなるプログラムがのちのKAGURAにつながったという事です。

「学生の皆さん、今作った作品がのちにどう化けるかわかりませんよ。とりあえずいろんなコンテストに応募しまくったらいいんじゃないでしょうか?」

そんなKAGURAですが、なんと誰でもダウンロードして演奏できるそうです。ぜひみなさんもダウンロードして演奏してみてください!

どうしたら面白いものが作れるのか?

しくみデザインさんが取り組まれた様々なお仕事をご紹介いただき、そこで得た「どうしたら面白いものを作れるのか?」そのコツを教えていただきました。

まず「とにかく単純に」することの事。ルール説明をやってしまうともう面白く無くなってしまう。すぐにやり始めれて子供にも受けるものを作るのだそうです。大人に受けるものが子供にうけるとは限らないが、子供にうけるものは必ず大人にもうけるのだとか。

「音をちゃんと作る、使う」音はかなり大事。しくみデザインではそこをしっかり作り込める事が強みになっているそうです。

「正確さより曖昧さを生かす」正確さと曖昧さを選ぶときは曖昧な方を選ぶということです。

「テクノロジーを感じさせない」技術が表に出ちゃった時点で失敗とのこと。確かに無駄な技術アピールは冷めちゃいますよね。

「すごい」は一度でも「楽しい」は何度でもある。楽しいと思ってもらえるものを作る。これはなるほど!と思いました。以前講演された際に「すごいはしくみデザインのことで、楽しいはユーザのことでしょ?」と言われたという話を紹介されましたが、「楽しい」を目指すということはユーザ視点で作るってことなんでしょうね。とても印象に残りました。

そして、中村さん達は10年もこういう事をやってくると、自分たちが面白いものを作れるのはもういいので、みんなが作れるようになるにはどうしたらいいか考え出したそうです。それで作ったのがPaintone。絵と声を組み合わせて誰でも楽しく遊べるスマートフォンアプリです。ぜひダウンロードしてお試しください。

 

 

学生だった自分に言っておきたいこと

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e-ZUKA Tech Nightは参加者の半数以上が学生であることも珍しくないイベントです。ということで、学生に向けたメッセージもお話頂きました。

「しくみデザインという会社を作って大変だなこともありました。たぶん。でも、何だかんだで10年も続けているのはやっぱり楽しいから。作ったものを目の前ですぐに楽しんでくれる人がいるというのは最高に楽しい。」

「とりあえず何でもやってみるのが大事。それで失敗することは絶対に無い。なぜなら失敗したと自分で思わないから。そして、自分は工学部だからとかデザイナーだからとか言わずに何でも受け入れる。分野や専攻にとらわれてはいけない。そして最後は自分で決断する。自分で決断した事は常に正解。人生の選択は正しい方を選ぶように出来ている。」

「大学の外にでる。私は学生のころコンペによく作品を出してたが、同じようにコンテストなどに出してみるのもいい。今はSNSやYoutubeなど出すところはいくらでもある」

「自分に出来ないことは、素直に他の人に頼る。苦手を克服するとか教育で言われるけど、苦手は苦手のままでいい。自分が苦手なことを得意な人が絶対にいる。その人と協力すればいい」

「努力はしない。自分が努力してるって思った時点でやめたほうが良い。努力っていうのは後から他人に言われて気づくこと」

「コネを作りましょう。就活の時にエントリーシートを書いて、みんなと同じやり方で応募する人がほとんど。そうじゃなくて、いかに書かないで済むかを考えたほうが良い。そのために学校の先生などに頼って紹介してもらったりする。そういうのが繋がっていけば面白いことが出来る。」

「どうしたら『必要な時』に『必要な人』に会えるのか。人はいつも楽しそうにしている人のところに集まる。自分がやっていることを本当に楽しんでいることが大事。」

いかがですか?ものすごい勢いで熱くメッセージを語って頂き、聞いている側としては感心しきりでした。学生の皆さんの心にも深く残ったものと思います。本当に中村さんありがとうございました。

 

 

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ここからは恒例のLTタイムです!

一人目 Yoshiaki Onoさん

Onoさんには自身で運営されている、福岡の観光スポットを掲載している観光セレクトサイトTRIP OFFをご紹介頂きました。

「福岡って観光の場所が限られるよね?」という友達の会話に「いや、それは知らないだけ、知る場所を作ろう!」ということで初められたそうです。

 二人目 Marat Zhanikeevさん

「Towards Android Automation: Screen Vision and Touch Triggers」というタイトルでAndroidでの自動操作技術についてご紹介頂きました。いろいろなところで使われている技術だそうで、アプリとしてはTaskerというものがあるそうです。

コンピューターがスクリーンを認識して人間の代わりに自動操作する。いろいろな応用がありそうですね。

三人目 hina_zakiさん

沖縄で高専カンファレンスを開催されたというhina_zakiさん。しかし、新しいチャレンジをしたということで賛否両論だったとのこと。つぎは参加者に満足してもらえるイベントをやろうと新たな決意を表明されました。そのうちなにかイベントがあると思いますので、お楽しみに。

四人目 タカハ機工さん

モーターとは違う直線運動が出来るソレノイドのメーカーとして有名なタカハ機工さんから新しいコンテスのお知らせでした。タカハ機工さんといえば、すこし前に話題となった「論文まもるくん」(『論文まもるくんの作者に会ってきた 〜ニコニコ技術部の人気者を訪ねて 北九州死闘編〜』)の誕生のきっかけにもなったソレノイドコンテスト(略してソレコン)がもはや定番ですが、今回はソレコンのポスターコンテスト、題して「ポスコン」を行うそうです。詳細はこちらからご確認下さい。

五人目 岩男さん

最後は最近話題のあのキャラクターにまつわるLTでした。あのキャラクタというのはシナモンのことです。最近Twitterでシナモンへの暴言が酷いという話がちょっと話題になりましたが(?)そのシナモン向けのリプライを収集し、形態素解析してマルコフ連鎖で繋いでみたそうです。シナモンにきれいな言葉をかけると、結果もきれいな言葉になるそうです。皆さんシナモンにきれいな言葉をかけるようにしましょう!

 

ということで、e-ZUKA Tech Night Vol.30の内容をお届けしました。みなさん、また次回にお会いしましょう!

恒例のLT枠は次回ももちろんありますので、テックでユニークでマーベラスなLTをお待ちしております!我こそはという方は今から仕込みを始めましょう。では。

About TaniguchiKouhei

飯塚在住のRubyプログラマ。メガネ巨人。e-ZUKA Rails始めました。